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デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社 取締役副社長 村上 誠さん

デジタル・インフォメーション・テクノロジー 株式会社
取締役副社長 村上 誠(むらかみ まこと)同友会会員

 
実際にお会いするのは、中央区支部の例会で月に一度くらいなのですが、
facebookで毎日のようにお会いしているのでなぜか久しぶりな感じがしない村上さん。
一度じっくりお話を聞いてみたい存在でした。
今回のインタビューに流れるテーマは「愛」でした・・。
村上さんの魅力を存分に感じさせていただくインタビューとなりました。
どうぞお読みください。

前職はNTT。独立する上司に引き抜かれたのがスタート
KAO:
それでは、村上さんが事業を始めたきっかけから教えてください。


村上:
前職はNTTでね。1970年に当時の上司が独立するときに一緒にやめたんですよ。


KAO:
え、NTTと言えば、電電公社。当時の花形じゃないですか。ご時勢から見たらかなりな冒険のように感じますが。


村上:
今から考えたら冒険ですね。やめるということを考える人は少なかったですよ。私は高卒で東京に出てきて、当時は夜学で大学に通っていました。しかし、学園紛争で閉鎖になってやむなく中途退学したんです。このままでは出世も望めないなと思っていたところに上司から話があって、素直に(笑)従ったというわけなんです。若かったですし、あまり冒険には感じませんでしたね。
家内を含め周りでも反対する人はいなかったです。


KAO:
そこが村上さんの新しい人生のスタートと言ってもよさそうですね。
具体的にはどんな事業だったのでしょう。


村上:
コンピューターの使い方や設計の仕方、大型コンピューター室の運営方法を教える研修会社です。まだコンピューターに携わる人口は少なかったですからね。我々の持っていた情報処理のノウハウは貴重だったんです。自ら講師にもなりましたし、外部からも講師を呼んだりと、週に一度のペースでセミナーを開いていました。一人 2 万円で一回に 40 人で 80 万円になりました。滑り出しは順調でしたね。


KAO:
といいますと・・


村上:
オイルショックですよ。景気が悪くなって、交際費、広告費、教育費、いわゆる3Kの経費が削られ人が来なくなりました。


KAO:
ほ~、最初の壁ですね・・・。どうやって乗り越えられましたか?


村上:
オイルショック以降、ソフト開発に転換したんです。その後にパソコンの販売も始めて日本の業界のトップになったんです。最盛期は240億円の売り上げとなり、社員も1200人いました。
1987年には株式公開もしましたから、絶好調でしたね。


KAO:
う~ん、NTTの社員では味わえない事業の醍醐味ですね。


村上:
その後に社長が別会社を作ると言うので、私がその会社の社長を務めることになりました。
まだ 50 歳前でしたねぇ。社長が戻ってくるまで 2年半やりました。その後は子会社の社長を務めました。OCRのソフト開発会社とか、地方にもありましたから合計6社ぐらいの社長をやりましたね。
面白いのは、浜松にあった学校法人コンピューター専門学校の理事長。
卒業式で生徒に証書を渡すということを3回やりました。


KAO:
村上さん、楽しそうですね。


村上:
若い人を育てるというのは楽しいものですよ。


KAO:
しかし、6社の社長と言うのはすごいですね。


村上:
撤収するのが得意なんですよ。始めるのもやめるのもハードルが低いんです(笑)NTTをやめることもそうですけどね。


「物事は心で行う」 どんな局面でも「博愛」の精神を忘れなければ切り抜けられますよ
村上:
結局ね、私の仕事はオーナー社長のやらない仕事をすることだと思っているんです。「汚い」と言い換えてもいいかもしれないですよ。


KAO:
汚い・・?


村上:
前の会社で突然合同労組ができたんですよ。地区労といって社員だけではなく加入できる労働組合でね。激しい組合だったですよ。社長はそういったことは苦手な人だったので、私が一手に引き受けました。大変でした。何でもかんでも労組の言うなりにはなれませんからね。


KAO:
労組との交渉ですか・・。心労がおありになったでしょうね。


村上:
それがね、私はその労組の書記長の初代から3代まで仲人を頼まれてるんですよ。


KAO:
ん?、言ってみれば敵同士ですよね。


村上:
相手が組合と言えど、結局は人の心の問題ですから。表裏なく純粋に取り組んで、一生懸命に話をすれば共通点が必ず見つかるものなのですよ。人の心を大事にしたのが結果につながったと思いますね。


KAO:
「人の心を大事にする」。共感しますねぇ・・。村上さんのその思いの原点とは何なのでしょう。


村上:
私は中学時代にJRC活動(青少年赤十字活動)というのを熱心にやっていましてね。それで博愛主義について学んだんですよ。それに、父親が国鉄引退後に「手をつなぐ親の会」という知的障碍児の育成を支援する会の事務局長をやっていて、無償の福祉活動をしていたんです。
子供たちの社会復帰の面倒を見たり、パラリンピックに出場するのを支援したりと無報酬で一生懸命奉仕する姿は印象に残っていますね。
「物事は心で行う」と自然に身に着いたのではないでしょうか。それが会社経営にも生かされているということだと思いますよ。


KAO:
村上さんの心が伝わって、激しい労使交渉をした相手の仲人まで勤めることになったのですね。博愛という二文字が常に村上さんの心に流れているように感じます。


村上:
:「愛」という文字を社是にしている会社があったんです。私は愛とは「与えて報いを求めず、受けて恩を忘れず」ということだと考えています。この考え方が今の世の中では希薄になっていますね。
これはコミュニケーションに必須なことなのですが。
 
今の会社に移ったのは98年ですが、そのときに、社員全員の誕生日にグリーティングカードを贈るのを2年続けました。ただ送るのではなくて、200文字ほどのメッセージをつけて。
これは社員が何をしているのか、どんな特長があるのかよく見ていないと書けないんですよ。
社員に対する愛情がないとできないことだったと思います。書くのは大変でしたが、時々返事をもらえるのが嬉しかったですね。
そういう意味で、愛というのは、社員に「存在証明」を与えるものだと思うんですよ。


KAO:
ああ、誕生日のメッセージが、「私はあなたがこの会社の大事な社員であることを知っていますよ。忘れていませんよ。」というメッセージにつながるのですね。


村上:
そうそう。みんな認められたいでしょう?社員が増えてできなくなったのが残念ですが。
私のやってきたことは、トップであったら出来ない事だと思うんです。社長は前に進めていくのが仕事、それでもうまくいかないときもありますから。それをうまくフォローしていくのが自分の使命だと思っていますね。社長と一体化して会社を継続できるようにしてきたのですよ。


KAO:
ああ、ホンダの本田宗一郎さんと藤澤武夫さん、ソニーの井深さんと盛田さんの関係を思い出しますね・・・。


継続は力なり。会社の目的も継続することにあります。
KAO:
村上さん、座右の銘はおありですか?


村上:
やはりね、「継続は力なり」「案ずるより生むが易し」でしょうか。組合もそうですが、資金も銀行がなかなか貸してくれないときもありますからね。
そんなときでも会社を継続することを一番の目的にしてきました。
それは、お世話になった人を大切にすることでもあるんですよ。そういう人たちには、自分の気持ちをオープンにし、全力投球で、表裏なくつながってきました。それがあったから会社の局面を切り抜けられてこられたんでしょうね。
 
「継続」と言えば、続けていることが 2 つあるんですよ。


KAO:
何でしょう?


村上:
ひとつは自宅近くのゴミ拾いを毎週土曜日にやるんです。もう2年半続いていますよ。一人で往復2キロ。1時間かけてやっています。
これは、人に認めてもらおうとするものではなくて、自分の気持ちのためです。


KAO:
一人でですか。なかなか続くものではないと思います。村上さんの話を聞いていると、心のお掃除という言葉が思い浮かびますよ。


村上:
そう、それです。心の掃除は経営の原点、人の原点につながりますね。
それと、もうひとつは誕生日に、渋谷から柏の自宅まで歩くんです。40キロ弱ありますがこれも20年続いていますね。終わった後、知り合いにメールで報告するんですよ。


KAO:
それはスゴイ!これからはぜひ facebook で報告をしてください。応援コメントを返しますよ!
今日はありがとうございました。いろいろ共感することが多かったです。
今後とも同友会、facebook でよろしくお願いします。


インタビュー所感
私の話など記事にならないですよ、と謙遜されていましたが、話を聞けば聞くほど深いお話が出てきてとても興味深く聞くことができました。「愛」についていろいろと考えるきっかけになりました。「与えて報いを求めず、受けて恩を忘れず」深い言葉だと思います。実は私も高校時代にJRCに加入していた経験があって、その話題で盛り上がる場面がありました。
■村上さんにインタビューの感想もお聞きしました■
「最初は緊張しました。しかし、話をリードしていくうまさはさすがコーチングですね。
見習いたいと思います。」

川添 香(かわぞえ かおる)

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