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株式会社 オーワークス 専務取締役 折田清一さん その1 ~建築にかける情熱と理想編~

折田清一さん株式会社 オーワークス 専務取締役 折田清一さん
会社所在地 東京都目黒区碑文谷 6-4-7
ホームページ http://www.o-works.com/home2.html
◆プロフィール◆
昭和44年 東京都目黒区生まれ
平成4年 日本大学経済学部卒業
平成6年 工学院大学専門学校建築科研究科卒業
平成6年 りんかい建設㈱入社
平成10年 ㈲折田工業(現㈱オーワークス)入社
<保有資格> 一級建築士

設計から施工まで
限られた条件の中で最高のものをつくるのがオーワークスの仕事です
KAO:
御社のホームページを見させていただきました。個性的で素敵なおうちの写真がたくさん載っていますね。


折田:
ありがとうございます。うちの特色ですが、設計会社と施工会社がドッキングしたような形でやっています。
お客様とともに作っていくというのをとても大切にしているんですよ。
ですから設計段階から丁寧にヒアリングをしお客様の要望に合わせて私どものほうから提案させていただくという形を取っています。
お客様との話し合いの中で、こんな風にしたら機能的だとか、住み心地が良いのではないかとか、ソフト面の機能を考えて、しかもデザインもよくというバランスを取りながら形を決めていきます。
ですから、一軒一軒全部違うと思います。


KAO:
一つひとつ顔が違うという印象がありますね。お客様第一に考えられているようですね。


折田:
実はお客様と話をしていくうちにクリアしなければならない課題がたくさん出てきます。
たとえば、法などの制約で、当たり前にやってしまうとお客様の要望が叶えられなくなってしまう、というような。
でも、家を建てるというのはお客様の夢を叶えるということでもありますから、一概に「制約があるからこれだけのものしかつくれない」というのは私のポリシーではないんです。
制約があってもそこにあるものを最大限に活かしてお客様の要望にお応えするというのが私どもの仕事だと自負しています。


折田:
以前、斜線制限の厳しい狭小地に 3 階建ての二世帯住宅を建てたケースがあり、そのケースでは、「北側斜線」をどう克服するかが課題でした。隣接する家に入る日光が妨げられないようにするための法律を一般的にそう呼んでいるんですが、そうなると高さも規制されるし、屋根を斜線にしなければならないので、3階部分のスペースはかなり狭くなってしまうんです。
そこで、一階部分を地表より少し下げて全体的に高さを有効に使えるような工夫をしました。
それでも階段部分の天井に頭が当たってしまうという問題が残るので、さらにその部分をトップライトという形をとったんですね。
そうすることによって 20cm ほど空間をつくることができました。
これがひらめいたときは本当にやった!と思いました。
しかも一階部分にはご両親が住まれるということでしたので、一階が地表より下がって見えないように配慮したりと、かなり苦心しました。


折田:
それから光、風といった自然をどう取り入れるかというのはとても大事ですね。
先日完成した例ですが、お客様がリビングの外にテラスがあるような感じで日をさんさんと入れて欲しいと要望されていました。
光の入れ方はかなり考えるんです。
光をじかに感じるというよりも空間にどう光が入ってくるかが大事なんです。
空間と光のバランスですね。先日の例では、ガーデンテラスとリビングとの関係を考慮しながらどう開口部を取るかが課題でした。
出来るだけ大きく開口部を取りたいと思ったんです。
その結果、光がさんさんと入るリビングができて、体調を崩して以来冬場はいつも上着を手放さないでいられないくらい寒さに弱かったご主人に、今は冬でも暖かくてシャツ一枚でいいと喜んでいただきました。
そういう意味ではお客さまは光の恩恵を十分に得られたのではないかと思いますね。


KAO:
折田さんのポリシーがそのまま出ているお話だと思います。折田さんはお客様とのコミュニケーションをとても大事にされていますね。


折田:
それは非常に大事だと思います。伝えているつもりが伝わってなかったりすることもよく経験しますので。
たとえば、お客様が二つの要望を出してきたとしますね。
こちらを取ればあちらが立たずのような事もよくある事なんです。
そういう場合、最初にこちらと決めて工事に取り掛かかるのですが、いざ着工となったときに「やっぱりあれも取り入れて欲しい」とお客さまから再び要望が出され、それではもう一度考えましょうと振出しに戻るということもよく起こることなんですよ。
そういったことを極力無くすためにもお客様との打ち合わせは綿密に行っています。
完成に至るまでにはかなりの回数をこなしますね。


KAO:
は~、技術だけ優れていればいいというお仕事ではないのですね。
苦労される分、喜びも大きいのではないでしょうか。
折田さんがお仕事をされていて一番の喜びとは何でしょうか。


折田:
そうですね。一番の喜びのときというのは、完成してお客様にお引渡しする直前でしょうか。
新築の場合は何もないゼロから形を作っていきますから、その過程では本当にいろいろあります。
今も言ったように、ヒアリング段階からお客様とのコミュニケーションの難しさもありますし、設計段階では、お客様の要望をどう叶えるか法律的、技術的に難しい課題が出てきます。
どうやって自分たちなりの答えを出していくかというのはかなり苦しむところなんです。
そして実際の工事に入ると、今度は現場担当者とか職人さんたちともっといいものにするためにアイデアを出し合ったり、考え込んだりと一緒にかなり苦労しながらやっていくんですよね。
もちろんそれは裏返せば充実した楽しい時間でもあるということですが・・・(笑)。


折田:
そうやって苦労して作り上げた瞬間は本当に喜びを感じます。でも次の瞬間には別れが待っているわけで・・・。
引き渡しの時には本当に寂しくなるんです。
何ヶ月も時間をかけて家と関わってきていますからね。
やっぱりすごい愛着が生まれていますよね。
現場工事中は自分のもののような感覚で自由に出入りして、気持をこめて、手をかけて作っていたのが、引き渡した瞬間にそれはもうお客様のもので、作り手といえど、自由にはいじれなくなってしまいますからね・・・。
そうは言っても、実は一年後とかしばらく経って訪問したときにもっと嬉しいと感じることがあるんです。
お客様がその家で快適に暮らして本当に嬉しそうにしてらっしゃる姿を見たり、使い勝手がよくてとか、建ててよかったと実際におっしゃっていただいたとき・・・報われた気分になりますね。最高です。


KAO:
娘を嫁に出すみたいな感覚ですね。
嫁ぎ先での娘の幸せな姿を見て目を細めているお父さんのようですよ(笑)。
いろいろな感情を伴いながら家が出来ていくように思います。
家一つひとつにいろんなストーリーがありそうですね。


折田:
そうそう、そこには相当いろんな感情が入り込んでいますよ。


KAO:
先ほどからお聞きしていると折田さんの強みは型どおりでない柔軟な発想力だと思いました。
不可能を可能にしていくような力があるようにお見受けしましたが。


折田:
すべてが可能になるわけではないのですが・・・(笑)。
最初に、ウチは設計から施工までやるというお話をしました。
私はどこかの請負でただ単に建てるだけというのはやりたくなかったんですよ。
それは責任の所在というところまで言及しなければならないのですが、結局のところ、設計と施
工が別々だと、思いがそれぞれのところに偏ってしまうんです。
それは本当にお客様のことを考えた場合に、いろんな弊害が出てくるんです。
設計事務所ではデザインだけをして施工はしないのが普通です。
全部の設計事務所がそうとは言えませんが、デザインばかりを追い求めると建てる段階でかなりリスキーなんですね。
たとえば、雨が入りやすい、水が漏れやすい、すぐ外壁が汚れるとか・・かっこよく見せようとすると常にその問題が付きまとう。
そして、施工段階でそういった問題が出ると、設計、デザイン上の問題でもあるに関わらず、クリアできないのは工事
会社の責任ということになってしまう。
というより、設計事務所は責任を負いきれないというのが正しいかな。
というのも、設計の受け取る報酬に比べたらそういったリスクの損害はものすごく大きくて、金額的になかなか責任が取りきれないんです。


折田:
そうなると、最終的にはその負担はお客様がかぶることになってしまったりする。それは本当のお客様のためにはならないでしょう?たとえ数社入札を行って工事価格が安くなったとしても、
結局は高い買い物になってしまうというのではね・・。
私は価格だけの競争で仕事をするのではなく、長いお付き合いの中でお客様に本当に利益になるような仕事ををしたいと思っているんで
すよ。
ですから、価格もできるだけ抑えて、設計から施工まで一貫したものを提供していきたかったのです。
設計施工を一貫してやるとなると責任はすべてウチになります。
所在が明らかなんです。逃げられないわけですね。ですからリスクを負わず、最高のものを作っていくには、設計段階から考えて考えて考え抜く必要があって、それが身についているというわけなんです。
不可能を可能にするというより、現場で身についた知恵なんですね。もちろんそれが他との差別化につながっていきますし、大手のメーカーさんが出来ないということも引き受けられるという強みともなっています。


KAO:
なるほど、それだけの思いで作られていたら手放すときには本当に寂しいと思います。その後も家とお客様とお付き合いをされていくわけですね。


折田:
ええ、その後建物が使い物にならなくなるまでずっとお付き合いできるような形にしたいと思いますね。
ただし、ハウスメーカーなどで「家を買う」という感覚のお客様にはしんどいかもしれません。
選択肢が多いのでお客様にも考えていただくこともたくさんありますから。(笑)
ここで折田専務に電話がかかりしばし休題。KAO、床のフローリングに気が向き、はだしで歩いてみたくなる。なんとも気持ちのい
い足裏の感覚を楽しんでいると、折田専務が戻ってくる。


さらに折田専務の思いは深く ~理想は自然に溶け込んだ家です


KAO:
気持ちいいですね。床。


折田:
フローリング全部ムク材なんですよ。こういった天然の素材は結構伸び縮みがありましてね。こういうところ、隙間が空いているでしょう。建てたときには、ぴったりくっついていたのですが、自然に任せるとこういうことが起きるのですね。それが本物のよさでもあるんです。
お客様にも、その辺をおおらかにOKを出していただけるとこういう本物を使うことが出来るのですが、残念なことに今の風潮ではNOなんですね。実はメーカーさんの一般的なフローリングは本物の木の部分は 0.3 ミリぐらいなんですよ。
その下は、合板などだったりします。


KAO:
これは全部本物のムク材なんですね。生きてるんですね。


折田:
そう。だから狂っていったりする。


KAO:
それが当たり前なんですね・・・
今、パンフレットを見ていたのですが、「経年変化を味わう」という文に惹かれました。
家と住む人と同時に変化を楽しみながら年を取っていくのですね。


折田:
そうですね。古くなるわけですからね。それはそれでいい味、良さが出てくるわけで。そういったものが本物なんだと思います。
壁とかも(パンフレットの)そういった珪藻土などを使えるときには使っていきたいのでお客様にはオススメしているんです。
注:珪藻土(けいそうど)・・・内壁材の一種。珪藻という植物プランクトンが堆積し化石化したもの。これを使うことで「呼吸する生き
た壁」を作ることが出来、住環境が快適、安全になる効果がある。


KAO:
シックハウスとかの問題も大きいですしね。


折田:
そういう効果はすごくありますよ。


KAO:
話が飛ぶのですが、もし、法律とか予算とか制約がなかったら折田さんはどんな家を建てたいで
すか?


折田:
うーん、なんだろうなぁ・・・。富士山が見えて・・・とか希望はたくさんありますが、基本的に一番いいのは自然に中に溶け込んでいるような建物ですねえ。光が一日東から日が当たって西へ落ちるまでさんさんと入るようなそういうところに暮らしたいかなあ。自然を感じられる家ですね。
都内にいると家はプライバシーを守るものでもあるわけですから、中が見えないように作る必要もあるのですが、自分の理想を言えば、そういったものから解き放たれて、オープンでいたいんです。
家の中にいながら自然の中にいるような感じを味わいたい。
壁なんかも必要最低限の程度に抑えてね。雨風をしのぐというような本当に必要な程度ですよ。


KAO:
今お聞きしながら、お日さまの光の中を風がすーっと吹き抜ける感じを味わいましたよ。その風
も草のにおい、自然のにおいを運んでくるような感覚でした。開放感を感じますね。


KAO:
そこからは富士山以外にどんな風景が見えるのですか?


折田:
木であり、花であり、そういうものが広がっているような感じですね。


KAO:
はあ、折田さん、広がりってすごく大事にされていますよね。


折田:
ああ、そうですねー。そういう広がった空間が目の前にあったりするといいですね。こういう都
内にいると余計そういうものに触れたくなるのかもしれませんけれど。


KAO:
それって人が根本的に求めているものという感じがしますね。
折田:そうですね。単純に生きるための最低限必要なところが家のベースとしてあればいいかなあと思
ったりします。


KAO:
大げさかもしれないですが、折田さんの建てたお家に住むと、本来の人間性が取り戻せるような
幸せな何かを感じられるのではないでしょうか。


折田:
いやいやまだ理想の段階です。まだ発展途上というか、そこに至るにはまだまだ勉強も経験も必
要でしょう。そういう意味では今はお客さんのコミュニケーションを大事にしながら限られた条
件の中で出来る最大限のいいものを作っていくことが一番大事ですね。だから自然とお客様との
打ち合わせ回数が多くなるというわけですが。
幸せになる家をつくりますとか、そんなおこがましいことは言えないです。結果的に私の建てた
家に住んでお客様が幸せになっていくということを願うだけです。ここに住んで楽しく暮らせる
なあとか、商業施設であれば長く商売を続けられるなあとか。


KAO:
それが折田さんのお客様とのお付き合いの仕方なんですね。


折田:
実際、建物が完成したときというのは、建てた家、お客様との新たな関係のスタートなんです。
それまでの密な打ち合わせの短期的なお付き合いとは違う、一年に一回新年のごあいさつとかの
長いお付き合いのね。


KAO:
折田さんの思いのこもる仕事へのあり方ですね・・感慨深いです。


インタビュー所感】今回は目黒区碑文谷公園の近く静かな住宅街の一角にある㈱オーワークスさんに伺いました。専務の折田清一さんが素敵な笑顔で出迎えてくれました。
建築に対して深い思いを持っていらっしゃる方です。今回は余すところなく、その思いを語っていただきました。折田さんの建てた家に住む方、お店で働く方は毎日笑顔なんだろうなあなんて想像をしながら興味深く聞くことができました。建築にはド素人の私。丁寧に説明していただきちょっぴり知識がついたかなあなんて思っています。オーワークスさんの魅力を感じていただけたら幸いです。

川添 香(かわぞえ かおる)

組織開発レポート
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