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Part14 助け合う文化

チームビルディング(チーム作り)研修に「体験学習」という手法を取り入れています。

先日ある企業のチームビルディング研修を行いました。
20 名ほどの参加者なので、人数を二つに分け2 チームを作りました。
2つのチームに同じエクササイズ(ゲームのようなもの)をやってもらいます。
今回のエクササイズは「ヘリウムリング」と呼ばれるもので、軽いフラフープを指の上に載せ、床まで下ろすという一見簡単なものです。
ところがこれがなかなか達成しないのです。

たいていの場合、下ろそうとすればするほど上がっていきます。
この研修のねらいは、エクササイズの体験を通して目標達成するまでのチームの姿を実感してもらうことにあります。
エクササイズが進むに連れて、チームのあり方、考えグセ、感情の動き、メンバーの関係性など否応なしに浮き彫りになります。

まずは、人差し指の第一関節にフラフープを置くこと、引っ掛けてはいけないことをルールとして、10 分間で相手のチームより先に下ろすことが目的だと告げます。
最初はどんなチームも「なにこれー、ぜんぜん下がらない、上がっていくよ!」などとあちこちで声が上がりハイなムードになっています。
簡単に下がらないことがわかると一気にムードが落ち込み、どうしたら下がるようになるのか話し合いをはじめるようになります。
この段階になると、いろいろなチームが出てくるようになり、話し合いが長いチーム、強い意見に引っ張られるチーム、試行錯誤を繰り返しながら方法を探るチームなど、様々な性格が現れてきます。

ところが今回の研修では、2 つのチームの明暗がくっきりと別れたのです。
たいてい3ラウンドくらい行って成功するパターンが多いのですが、今回は1 つのチームは1回目でできてしまい、もうひとつのチームは最後までできないという結果になりました。
一つはなぜ出来て、一つはなぜできないのか、これも興味深いところではありますが、それよりも二つのチームの関わり合いはとても興味深いものでした。

早々と出来てしまったチーム(チームAと呼びます)は課題がクリア出来てほっとしたせいかリラックスした様子でできないチーム(チームBと呼びます)を眺めていました。
ところがそのうちだんだんと表情がこわばり出してきました。

私「いま何が起きていますか?」
Aメンバー「早くできないかなあと思って」「教えてあげたいと思って」

そこで、チームBに尋ねてみました。
私「アドバイスをAからもらうことができますが、どうしますか?」
Bメンバー「私たちだけでやります!」「できないのはくやしい!」
Aチームの表情は固いままです。

私はAチームにアドバイスはできないけれど、AチームでBチームをどう応援するか考えてくださいと課題を与えました。
すると、途中から「頑張れ!」「できるよ!」と声が掛かり始めました。
さて、振り返りの時間、両チームに気持ちの動きを聞きました。

Bチームに対して
私「声援があったとき、どう感じましたか?」
Aチームに対して
私「アドバイスできないとわかったとき、どんな気持ちでしたか?」
それぞれの答えは
B「素直に嬉しかったです。見ててくれたんだって思いました。」
A「教えてあげられないのがもどかしくて、寂しかったです。」

実は日常の業務の上でも似たようなことが起こっています。
助けたくても助けられない。
見守ってくれていることすら気づかない。
さらにもっと早く助けを求めていれば、目標がもっと早く達成出来ていたかもしれないということに気づき、メンバーははっとさせられた様子でした。

助けを求めるのも、助けを出すのもプライドや遠慮が邪魔をする場合があります。
それは往々にして良い結果を産みません。自分たちで成し遂げる気概も必要ですが、素直に助けを求めることはそれ以上に必要なことです。

川添 香(かわぞえ かおる)

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