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Part19 無から生み出す

ある企業から、女子社員プロジェクトを作りたいと相談がありました。

A社の女子比率は全体の20%。業種も男性的な仕事です。
その中で社長は女性のコミュニケーション能力やアイデア発想力に目を付けて、なんとか開花させたいとのこと。
社長に何をやってほしいという具体案があるわけではありません。
すでに担当者がいるのですが、担当者も今ひとつ懐疑的で不安な様子を見せていました。

火種を探す

担当者にしてみれば、空を掴むような感覚なのだと思うのです。
何を生み出せばよいのか、何をどうすればよいのか、各支店に散らばっている女子をどうまとめればよいのか。
話をする社長の熱がおびてくるほど、担当者は戸惑いの表情を見せてきます。

そこで、私はまず社長のその思いがどこからやってきているのか聞いて見ることにしました。
社長によるとある会合での女性の力を目の当たりにしたとのこと。
長年そこに携わってきて、女性の粘り強さや発想力がどれだけすごいものかを体験しているのだと話をしてくれました。
社長は女性の力を信じきっていることを力強く伝えてくれたのです。

火のないところには煙は立ちません。
私は社長が女子力を信じているところが火種だと直感し、その火を女子社員に広げることがまず最初の仕事だと思いました。

そこで、3 回に分けてのワークショップを提案しました。

思考の回路を広げる

たいていの場合、社長が何か新しいことをはじめようとするときは、社員の思考回路は縮こまっています。
また何かやらされるという思いです。
しかも今回は全くノーアイデアのところから作っていくプラン。
女子社員たちは戦々恐々した思いで集まっています。

この回路が開ける関係性が作れるかどうかがこのプロジェクトの最初の鍵です。
まずは、全員が話せるような場を作りだすことが必須。
初対面の社員もいる中、全員が話をできるような仕掛けをします。
そして、ある程度場が柔らかくなったところで、社長から女子の力を信じている話を引き出します。

自分ごとにする

さて、どんなに社長が熱をおびて話をしたとしても、社員にとってはまだふーんという段階です。
その話を自分ごとにしていくには、まだステップを踏まなければなりません。

最初のステップは、社長の話をどう思ったかをテーマに話し合うことです。
よかった点だけでなく、賛同できない部分、疑問に思った部分もオープンに話す場にします。
これには、少人数で話をし、時間が来たらメンバーをシャッフルしていくワールドカフェ方式が効果的。
少ない人数のほうが本音を話しやすく、シャッフルすることで全員で話すのと同じ効果が生まれるからです。

「話す」ことは気持ちを「放す」ことにつながります。
疑問や不安も素直に表現していくことで気持ちにスペースが生まれてきます。
これこそが思考回路を広げアイデアが生まれる場所となるのです。

これが出来たら次のステップです。
「もし、女子に可能性が本当にあるとしたら何がしたい?どんなことができると思う?」という問を投げかけます。
ここで大事なのが批評の声を下げること。
せっかく出てきたアイデアの芽は批評の声を聞いたとたんしぼんでしまいます。
ブレーストーミングの大原則「良い悪いの批評なし」「アイデア発想は自由奔放」「質より量」「改善便乗大歓迎」を紹介しながら、こちらもワールドカフェ方式でどんどん出していきます。

こうして出たアイデアは60 個近くにもなったでしょうか。
社長はすでに女子力が表出されたことを見てにんまりしています。
ここで第1 回目が終了。
2 回目は発散したアイデアをどう収束させ、どう実現に向けていくかがテーマです。

川添 香(かわぞえ かおる)

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