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Part2 職場の関係性を阻害する「4つの毒素」

調布市の小学2年生担任の女性教諭が児童に暴言を吐いて、担任を外された事件がありました。
内容も凄まじく、聞くに耐えないものばかりです。本来ならこの時期に大人やクラスメートとの信頼関係を築き、成長の場として機能するはずの教室が、恐怖と苦痛に支配された場となったのです。幼い子供たちの心にどれだけの影響を及ぼしたのでしょうか。
女性教諭の心にどんな闇があったのか知るべくもありませんが、教育現場にあってはならないことです。

さて、この「暴言」、職場ではパワハラとなります。ここまでエスカレートすると、もはや犯罪に近くなりますが、実は私たちは知らない間に使っていることがあるのです。そういった無意識で使っている言葉、態度が蔓延するとじわじわと大事な関係性を蝕んで行きます。この関係性を蝕む要素は4つあり、「関係性を阻害する4つの毒素」と呼んでいます。

毒素は関係性あるところ、どこででも発生しますが、今回はチーム、組織という視点から関係性を阻害する「4つの毒素」についてお話したいと思います。

職場の関係性を阻害する「4つの毒素」

非難 防御
侮辱 逃避

まず、それぞれの領域を国と見立ててください。
その国に入ったときどんな空気感を感じるでしょうか。

筆者は企業の組織風土開発に携わっています。ある企業のA支店に関わったときのことです。
初めてA支店に入った時の空気感を忘れることができません。
一人ひとりは挨拶もしてくれ、きちんとした印象はあるのですが、全体から感じるよそよそしさ、ひんやり感、空気が薄い感じがどうにも引っかかりました。

実はA支店はリストラ直後。前支店長が精鋭を引き抜いて他社に移るなど、社員にとっては疑心暗鬼になるような事件が起こっていたのです。
新しい支店長はこの空気感を打破しようと頑張っていましたがなんともならず、依頼となった訳です。支店長の話では、大雪が降って一人で雪かきしていても、社員は見てみないふりなのか、そもそも見えていないのか誰も手伝わないのだそうです。

A支店にはびこる毒素は「逃避」でした。<逃避>とは「そのことは忘れていよう。
もしくは黙っていよう」というエネルギーを持つ毒素です。
わかりやすく夫婦の例えを使えば、奥さんの小言(あるいは不満)が始まったとき、夫が新聞やテレビに夢中になる振りをしたり、ふいっと出て行ってしまったりすること、これも逃避の一例です。それでは、順に見ていきましょう。

非難:「相手のせいだ」
乱暴な攻撃、弱いものいじめ、押しつけ、とげとげしい始まり、恒常的な批判



防御:「私のせいじゃない」
他者からの影響に心を閉じる、話題をそらす、向き合わない、かたくなになる



侮辱:「ほんとバカだな」
見下し、軽蔑の目、軽視、嫌味、悪意のある冗談、中傷、敵意のあるうわさ



逃避:「そのことは忘れていよう」「黙っていよう」
他者からの影響に心を閉じる、無関心、消極性、上の空、追従、遠慮、回避

繰り返しになりますが、大事なのは、これは誰にでもある、どの関係性にもあると認識することです。
日常でこれが積み重なり、ある閾値を超えたときに起こる出来事が、パワハラ、うつ、足の引っ張り合いなどであることは容易に想像できます。

さらに毒素はチームの一体感を阻害し、個人のモチベーションを著しく下げるものです。
毒素が蔓延し組織の文化が支配される前に手を打たなければなりません。

「関係性の4毒素」への解毒剤「関係性の4毒素」への解毒剤

毒素というくらいですから「解毒剤」が存在します。
それぞれの組織・関係性で一番効果的な解毒剤を開発する必要はありますが、一般的な解毒剤を紹介しましょう。

●非難への解毒剤
「私はあなたの○○の行動についてこう感じている。私はあなたに□□の行動をして欲しい」と主語を「私」にして伝える。

防御への解毒剤
相手の言っていることを100%鵜呑みにする必要はありません。
しかし、その中のいくつか(ほんの少しでも)認められる部分はないかを素直に受け取ってみる。

●侮辱への解毒剤
侮辱とは相手を軽視している状態。
ほかの人への侮辱をやめると約束する。

逃避への解毒剤
自分の感情をチェックする。相手に時間をもらう。
その間に自分が何を伝えたいのか整理、把握し、お互いに冷静になったあとで伝える。

先のA支店で一番効果を奏したのは「感謝」を表明するワークです。
関わり合いを持つことにそれぞれが恐れを持っていましたが、心の奥底ではメンバーに対する感謝の気持ちを持っていたのです。
感謝の気持ちをそれぞれが口に出し表現することで硬直した関係性はゆるみ始め、つながりなおすきっかけとなっていきました。
「感謝」はどの毒素に対しても最大の解毒効果があるようです。

川添 香(かわぞえ かおる)

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