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Part25 変化への道

組織開発コーチングを導入しているある企業。
リーダー層の忙しい時間をやりくりしながらの毎回約3時間です。
何回目かのコーチングで「この時間はとても不思議ですね。
始まる前までは業務が詰まっているから今日は休んでしまいたいと思うのですが、終わったあとはなぜか気持ちが落ち着いてやって良かったと思うんですよ」という感想をいただきました。

実はこの感想はどこの企業様でも同じように出るものです。
目の前の業務に追われ、それがコミュニケーションを阻害する要因ともなっています。
組織開発コーチングの3時間は忙しい日常にエアポケットのようにメンバーがつながり合える空間を生み出します。

とはいえ、コーチングの目的はあくまで変化を起こすことにあります。
必ずしも、口当たりの良いことばかりが起こるとは限りません。

この企業では、前回のコーチングで「会議のやり方を変える」という行動計画が結論として出され、次回会議で実行することになりました。

当たり前を変えるのは難しい

この企業での会議はほとんど伝達会議、トップダウンの決定事項が下に伝わるだけのものでした。
メンバーの意見があるのかないのか、誰も何も言わない、言ったとしても当たり障りのない意見しか出てこないものでした。

禁煙や禁酒、あるいはダイエットなど、個人レベルでも長年習慣化してきたものを変えるのは非常に難しいことです。
同じように組織でも、これは良くないとわかっていることでも、慣れ親しんだやり方というのはある意味とても安全です。

人は馴染みのある世界はそこにい続けたいものなのです。
今までの当たり前の世界から当たり前ではない世界へ。

変化というのは、どんなに小さくても未知の世界に足を踏み出すことに変わりありません。
「会議のやり方を変える」とは、単なる行動レベルの変化のように見えますが、実は「私たちの組織ってこうだよね」と思っている組織の自己認識を変えていくことに通じています。

さて、この「いまの私たちはこうだ」と「これからの私たちはこうだ」の変化の間にはそれを越えずには行けない境界線のようなものがあります。

この企業で言えば、

・誰もついてきてくれないんじゃないか
・もっと忙しくなるんじゃないか
・やっても変わらないんじゃないか

などという恐れや抵抗です。
このような感情、思考を「エッジ」と呼んでいます。

エッジを軽く越えてゆく

エッジの向こうにはその組織の手に入れたいものが広がっています。
エッジを越えるには感情的な障壁を乗り越えなくてはなりません。

そこでこの時間でエッジを越える疑似体験をチームにしてもらいました。
やり方はいろいろありますが、今回はコラージュを使うことにしました。

雑誌の切り抜き、写真、折り紙やテープ、シールなどを用い、自分たちの姿を模造紙の上に表現してもらうのです。

まずは、現在の姿。個人個人のイメージで作るものは、形は違うものの似通っています。
すごく頑張っているのに孤独、抱えきれない、そのような説明が続きました。

次に、今あるものを壊してでもいいし、その上にでもいいので、この組織の有りたい姿を「みんなで」作るよう指示を出しました。

チームに緊張感が走りました。
人が作ったものを壊す恐ろしさ、手を出すことへの抵抗感。
これがエッジです。

このチームでは、誰かが行動を起こすまで7分間の沈黙がありました。
エッジと戦っている時間です。

ついにメンバーのひとりが行動を起こしました。
まず、自分の作ったものを壊し、隣の人の制作物とつなげて行きます。

次々とメンバーの手が動き始め、制作物を中心に一個の輪ができてきました。
そこにある集中のエネルギーは感動的ですらあります。
終了後の振り返りでその写真を見せた瞬間、メンバーからは「おお~っ」という声が漏れました。
今まで見たことのない自分たちの姿がそこにあったからです。

疑似体験のエネルギーは、体験の振り返りをするうちに、実際の現場をどうするかの具体的な話に自然に移行させます。
このチームでもこのあと、会議を具体的にどうするかの話が熱を込めて行われました。

川添 香(かわぞえ かおる)

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