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Part8 意図的意識的な場を作る

暗い、話し合わない、分かり合えない、疑心暗鬼・・・。
硬直化した関係性のそもそもの始まりは一体なんでしょうか。
それは些細な出来事が始まりであることが多く、ひとつの出来事がうやむやになると次々と積み重なり、やがて冒頭のような関係性が出来上がるのです。

先日、ある企業でそもそもの出来事に直面しました。
ある理由で年末のイベントが突然中止になったのです。
こういう出来事が起こった場合、たいていの企業では表向きの理由と中止という事実を述べただけで終わります。
社内の空気感は推して知るべしですが、個人的にグチを言い合い、憂さ晴らしをしておしまいとなるのが一般的でしょう。
この出来事の裏では、日の目を見ることができない様々な感情、思考が渦巻いています。
イベントに込めていた期待、がっかり感、準備していた努力への報われなかった気持ち、どうしてこうなるんだという疑問などです。

こういった誰に向けていいものかわからない、行き場の失った感情は、澱のように徐々に溜まって消えることはなく、不信感へとつながっていきます。
この打開策としては、出来事に対して起こっている感情を経営側社員側双方で直接話し合うことなのですが、こういった感情に焦点を当て話し合うというのは感情的な場になることが予想され、非常に難しいことです。

話し合いの場の感情を意図的に作る

さて、日頃意識はしていませんが、私たちの行動は、常に心の状態に乗っています。
例えば同じ「おはよう」の挨拶でも、その時の気分でずいぶん違うものに聞こえるでしょう。

実はこの気分を意図的に変えることは意外に簡単です。
憂鬱な気持ちに気づいたら上を向き、背筋を伸ばす。
それだけで明るい声が出たりするものです。

会議などコミュニケーションの場も同じように自分の気持ち、心の態度を意図的に持ち込むことができます。

難しい議題だったとしてもそこに「軽さ」や「遊び心」という心の態度を持ち込むことはできます。
ここが重要ポイントですが、これを一人ではなく、全体で行うのです。
重い空気の会議であったとしても、全員で場にどんな心の態度を持ち込むかを話し合ってから始めるとそのエッセンスは必ず場に作用します。

そこにある空気感に一人ひとりが責任を持ち、場全体の感情を作っていくのです。

前出の企業では、ことをうやむやにはしませんでした。
私は会議ファシリテーターとして入り、感情的な議題に対し、どのような心の態度で臨むかを決めてから具体的な会議となりました。
彼らの決めたことは「聞く」「話す」。

単純に聞こえますが、そこには言いにくいこと、聞きにくいことにも心を開くという意味が込められています。

会議では、経営側の事情や感情が述べられ、社員も起こったことに対してどんな心の反応があったかが述べられました。
もちろん緊張する場面もありましたが、それぞれが決めた心の態度を持ち込んだことで、深く意味のある会話が出来る場となりました。
経営側からは、今日のこの時間がなかったら、社内が崩壊の方向に向かってしまっていた可能性が高かったと感想がありました。

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