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Part11 ゴースト

インフルエンザが猛威を振るっている頃、F社におじゃましました。
オフィス内はなんだか閑散としています。
F社は女性を登用して躍進したベンチャー企業です。
お子さんを持つ女性も多く学級閉鎖でお休みあるいは自宅勤務となっている社員が多かったのです。

社長「女性が働きやすい職場を作っているとはいえ、これだけ休まれるとね、やっぱり影響出ますわ」
私「ゴーストですね」
社長「本当にゴーストなんです」

場に影響するゴースト

いきなりの専門用語で申し訳ありません。
ゴーストとは、私が組織開発で使っているシステムコーチング® で使われる用語のことです。
F社ではシステムコーチング® を取り入れて以来、このように普通に専門用語を使っています。
概念を聞けば誰でもああなるほどと納得するものです。便利なのでぜひ覚えてください。

こんな経験はないでしょうか。


・そこにはいないのに必ず話題に登ってくる人がいる。
・過去の出来事なのに、今だに尾を引いてその場にいる人に影響を及ぼしている。
・(会社組織などで)先代の影響力が強く何かと引き合いに出される。
・ある話題についてはタブーである。


もっとわかりやすいたとえで言うと、元彼、元彼女のような存在。
新しい彼女とデートしたとき、ついつい長い髪の女性に目が惹かれた⇒さっと新しい彼女が察知して「今元カノ思い出してたでしょ!せっかく私といるのになによ!」なーんて場合です。
その場にはいないのにそして過去の出来事なのに二人の関係性に大きな影響を及ぼしているそんな存在です。

さて、F社に戻します。
F社でのゴーストは「子ども」でした。「子ども」の健康状態がパフォーマンスに影響を与えていたのです。
とはいえ、F社では女性登用のためにシステムを整えていたこともあり、最小で影響はおさえられていました。
ただし、このように可愛いゴーストだけではありません。
表面になかなか出てこない手ごわいゴーストもいるのです。

誰も口にしない

筆者が組織に関わる場合、まずこのゴーストが場にいないか、アンテナを張ります。
その名のごとく、目には見えず、誰もその存在を口にしないからです。
ゴーストが場に現れた場合、メンバーが取るある種の行動があります。


・そわそわとした態度が始まる
・話題を変えようとする
・くすくす笑いや神経質な笑いなどが起こる
・声のトーンや大きさが変わる
・イライラ感などの怒りの感情が起こる


こういった場の特徴を見逃さずに、これを起こしているのは一体何かを探るのです。

ある企業では、過去の「リストラ」がゴーストでした。
メンバーの心に大きく傷を残し、影響は今だに消えていませんでした。
ゴーストが引き起こす恐れは、メンバーが新たなメンバーシップを築くことを(心の奥底で)拒ませたり、不信感から能力の出し惜しみをさせたりしていました。
「リストラ」について話すことはタブーであり、それぞれがその影響を被っているにもかかわらず誰も口にすることができませんでした。

恐れやタブーを乗り越えてゴーストを陽のあたる場所に引き出し、傷を癒すことが解決の近道となります。

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