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Part5 組織チームの全体の姿を見る

コミュニケーションを学ぶ上で、「傾聴」という言葉を聞いたことのある人は多いのではないでしょうか。
相手との信頼関係を築くため、相手のパワーを引き出すため、傾聴力は今やマネージャークラスには必須のスキルとなっています。
今回は「傾聴力」がなぜ必要かを、個人の側面ではなく、「組織力向上」という別の側面から見ていきたいと思います。

群盲象を撫でる

「群盲象を撫でる」ということわざをご存知でしょうか。かいつまんでご紹介します。

これはインドを発祥とする寓話の一つです。
ある国の王様が盲人に象を触らせて、象とはなんだと尋ねます。
すると、それぞれがそれぞれの答えを言い出しました。


群盲象を撫でる

足を触った盲人は「柱のようです」と答えます。
尾を触った盲人は「綱のようです」と答えます。
鼻を触った盲人は「蛇のようです」と答えます。
耳を触った盲人は「扇のようです」と答えます。
腹を触った盲人は「壁のようです」と答えます。
牙を触った盲人は「槍のようです」と答えました。

それぞれがそれぞれの意見を主張して譲りません。

言い争いになりかけた時に王様が答えました。
「あなた方は皆、正しい。あなた方の話が食い違っているのは、あなた方がゾウの異なる部分を触っているからです。
ゾウは、あなた方の言う特徴を、全て備えているのです」

このお話のポイントは、「あなたは正しい。ただし全体から見た場合は一部しか正しくない」ということ。

組織とは、私たちが属する大きなシステムのことです。
象のように大きく、我々は盲人と同じように、常に一部分しか見ることはできません。
触れた部分の感想しか述べることができないのです。

ですから、自分と異なった意見を述べる者がいた時こそ、全体を把握するチャンスなのです。

傾聴力を使って全体を把握する

ここで傾聴力の出番です。
まず、異なる意見についての評価判断を一旦脇に置かなければなりません。
評価判断は対立の原因となります。
目的は意見を主張することではなく、全体を把握することです。

次に好奇心を働かせること。
出来事だけでなく、会話の本質、その意見が出てくる源に好奇心を持って聴くことです。
そして、全ての意見に尊重の気持ちを持つこと。
言いにくい意見こそ、出してくれたメンバーに対して感謝の気持ちを持たなければなりません。
全体を把握するのに大切なものだからです。

こうして傾聴力を発揮させていくと、全員が自分たちの姿を共有することができてきます。
組織を変革しようとする場合、現在の自分たちの姿を把握できなければなりたい姿も見えてこないのです。
「あなたは正しい。ただし全体から見た場合は一部しか正しくない」

組織を変革しようとする場合、不文律としてこの概念からスタートすると、組織は自ら変容しようとしていきます。

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