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Part7 機能するチームへのプロセス
◆タックマンモデル
一枚岩のチームになるには、それなりのプロセスを辿ります。
オハイオ州立大学教授で教育心理学者のタックマンは小グループにおける発展順序を提唱し、そのプロセスはタックマンモデルと言われています。
グループが出会い、探り合いが始まる。チーム・メンバーが、個々に独立しており、心を開いていないことが多い。
②混乱期(Storming)
意見を発するようになる異なる考えや観点に対して、敵対心もしくは反抗心が芽生える。
③安定期(Norming)
一緒に活動する段階。他人の考え方を受容する。目的、役割、期待等が一致しチーム内の関係性が安定する。
④遂行期(Performing)
よく組織されたチームとして機能する段階。チームに結束力と一体感が生まれ、チームの力が目標達成に向けられる
◆混乱期を乗り切る
これを見て自社、あるいは属するチームはどの段階かと考える方は多いのではないかと思います。
大抵の組織、チームの場合、ほとんどが①の段階と言っていいでしょう。
組織開発に当たる場合、内的な部分も含めて相手を知ることから始めます。
何年も机を並べていたにもかかわらず、初めてこの方のことを知りましたと、感想をもらうことも少なくありません。
さて、この4 つの段階のうち、一番大変で重要なのが②の混乱期の段階です。
Storming とはまさしく嵐のこと。
予測できない困難がチームにやってきます。
この時期をどう経験するかがチーム、組織の成長にとって非常に大事です。
得てして日本人はぶつかり合うことに慣れていません。
和を尊ぶ我々にとって葛藤を上手に避けるというのも大事な文化の一つなのも事実です。
出来るだけ揉め事に巻き込まれたくないというのも人情というものでしょう。
しかし、変革を起こそう、変わろうとする時にこの文化は厄介なものになります。
葛藤や対立が表立って起こっていないというのは、誰かの辛抱や否定的な意見をいうことへの恐れ、あるいは言ってもしょうがないという諦めの上に成り立っています。
こういった声の中に変革のヒントがあることが多いですし、本気で関わろうと思ったら対立が起こるのは当然なのです。
◆安全を担保する
しかし、不慣れであるため対立の仕方は非常に稚拙な時期です。
言葉の出し方が悪く、また適切な感情の出し方ができず、必要以上に傷ついたり傷つけたりということも起こります。
これを乗り切るには、タックマンモデルの知識が役立ちます。③の安定期を迎えるために必要なプロセスを辿っていると共通認識を持つだけでも苦しい時期を乗り越えることができるでしょう。
また、こういう時期がくることに備え、厳しい時期に向かい合う時メンバーがどのような気持ちやあり方でいるかルールを話し合っておくのも有効です。
実際に対立について扱う時には、いかにその場の安全を担保出来るかで結果が違ってきます。
当然リーダー(経営者)の心の態度がどのようであるかが問われます。
やがて、③の安定期を迎える頃には、コツコツぶつかり合いながらも目標に向かう建設的な会話ができるようになっています。