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株式会社インテリアファクトリー・ソレイユ 代表取締役 早川 沙衣美さん ~その 2~
ホームページ:
http://www.i-factory-soleil.co.jp/
会社所在地:目黒区自由が丘 2-16-22
自由が丘駅より徒歩 3 分
TEL: 03-5701-8571
営業時間: 10:00~19:00
月曜休
◆プロフィール◆
広告会社のコピーライターを経て、日本リビングのコーディネーターとして活躍。
JAPANTEX‘91~’93 コンテスト 3 年連続受賞
1995 年(株)インテリアファクトリーソレイユを自由が丘に設立。現在、代表取締役社長。
建築施工管理技士、増改築相談員、福祉住環境コーディネーター。
1993 年~2003 年迄の 10 年間、月刊誌「ぼんじゅうる」に詩を連載。
それと、人ですね。人は情熱を込めて教育しますから、私についてきて欲しいと思うのですのですが、教育し終わったかなと思うと去ってしまうというのが人の常なんですね。
やめてしまったとき、何でしょうね、わが子がどこかにいってしまったような感じがするのですよ。
本当に死ぬほどインテリアが好きという人を探しこむのは大変なんです。
どこかで掘り起こして探してくればまたその人がいるだろうというものではないですね。
同じ人はいないんですね。ですから辞められてしまうと、いつまでも別れた恋人を惜しんでいるみたいなところがあります。
ビジネス的にではなく、本当にインテリアか好きという人はなかなか探してもいませんね。
でも去ってしまう人の心を留めることはできないですね。
今までにそのような人が去っていったという大変な経験が2回あります。
口出ししなくても出来るようになっているわけだから。
いなくなってみて、自分がやるとなると、さてさて、それってどうやってやったかなと
か。任せきっていたので私が思い出せなくなっているのです(笑)。
いざやろうとして愕然とするんですね。
ですからバランスが崩れますから、人がやめたときが一番大変です。
その人たちがいたことのありがたさを感じましたね。
一人ひとりインテリアが好きという土台から入ってきますよね。
ですが、みんな同じではなく、その人固有のインテリアに関する好きなもの、得意とするものががそれぞれ必ずあるんですね。
それを伸ばしてあげるのが私の役割だと思うようになりましたし、楽しみでもあるのです。
ですから、人を育てるときには、特に得意というのを必ず見つけてあげられるようにしてますね。
この人ってここがすばらしいじゃないってものを見つけるように努力すると、みんな可愛くなってくるの。
人は必ず何か持ってるんですね。
ですからうちと仕事をしたい何かないですかとお話をいただくと、私もがんばって一緒にお仕事をしたいと思ってしまうのですね。
思いがあると形になります。
そう思っていると、たとえばエッチングガラスを作っていただけませんかとお客様が来るんですよ。
思い続けることが形になりますね。
このカードを受け取ったお客様がみんなニコニコしていらしてくれる、その笑顔を想像していましたね。
イメージは大事な気がします。
思いは形になると信じていますからね。
私もそういう夢を持っている方たちのサポートをさせていただいく仕事なので、信じているとその方がそうなるんですよ。
実現していくんです。不思議に。
これはなんともいえないですね。
母は私にまず日本舞踊を習わせ、三味線を習わせ、家庭教師をつけてくれました。
母自身も厳しい人でしたが、教育は人様に厳しくしていただくものという思いで習い事をさせてくれたような気がします。
そのとき、何気に「私、舞妓さんになるの~」といったらしいのです。
日本舞踊とか踊るのが好きだったのでしょうね。たぶん何かを見て影響を受けていたのだと思います。
稽古に着物を着ていくんですけど、道路で踊っているんですって。こんなになって。(笑)
私は夢中になるタイプなのです。
何で困るんだろうと思っていました(笑)
その頃培われた感性とかおありだとおもうのですが。
中でも厳しく今教えられたなあと思うのは礼儀です。
小学校5年生なんて子供でしょ。
その子どもがちゃんとおすわりして、「おっしょさん、こんにちは。」と言うんです。
師に対する礼儀ですね。もちろん終わったときの挨拶も。
それから畳のへりを踏んではいけませんとかね。
小学校5年生にしてみれば厳しかったですよ、(笑)。
礼儀作法はそこで身についたと思います。
ですから今でも無意識にやっています。
例えばね、会社で社員に挨拶するとき。
すれ違うときでも1秒でも2秒でも足を止めて挨拶するんです。
後ろがぶつかっちゃうという不都合があったりするのですが(笑)
そういうことははしっかりと自分の体に入っているものという感じがしますね。
私は子どもですから、そんなに意識はなかったと思います。
母から日常の生活の中で教わったことは多いですね。
デパートが好きな人でね、よく連れて行かれました。日曜日になると、銀座に行くんですよ。
新橋から三越、松坂屋、松屋、とずっと歩いていくんですね。
そうすると、いらっしゃいませ、おはようございます、とデパートの入り口で挨拶されて、帰りは蛍の光が流れるんです。
なるべくいいものを見るように教えられました。
それは栄養になりましたね。
リフォームのモデルルームを作りたいと思っているのです。
モデルルームは、新築のものはあるけれど、リフォームのものはないのですよ。
ショールームのイメージをもっと膨らませたものです。
そこで、資料館も作ります。
お客様のリフォームのイメージ作りのお手伝いができる参考の館ですね。
壁紙、カーペット、カーテン、その他いろいろのものをトータルで揃えて、お客様自身の目と手で確かめることができるようなもの。
実際にそれを使いながら一緒に考えていくことができるようにしたいのです。
やはり、小さ A4 サイズのサンプルだけでは全体をイメージするのは難しいのです。
小さなサンプルの世界だけでお客様は夢を広げられないんですね。
小さなサンプルで決めてしまうと出来上がりが最初のイメージと違ってしまうということも弊害として起きてくることもあります。
私は、お客様にはリフォームにはこんなにたくさんの選択肢があるんだということを理解していただいた上で、100%ご自分が納得する家作りをしていただきたいのです。
そのためには実物を手にり、インテリアをよく理解したスタッフのアドバイスを受けていただきながら一緒に家作りができるショールームが理想なんです。
実際のイメージを体験していただくために、そんな風に全体を見ていただけるような一部屋まるごとのサンプルを作りたいんです。
資料はいっぱいありますから。
いくら丁寧に説明してくださってもわからないのはわからないときがあります。
そのような部屋があったら具体的にイメージがしやすいでしょうね。
夢を広げやすいし、そこに行くだけで楽しめそうですね。
私、今お客さんの視点で聞いていました(笑)ぜひ実現させて欲しいです。
数をこなしていますので、すごく広いところから、四畳半サイズの狭いところまで可能です。
狭いことを気になさらないでほしいんです。
そういった提案力があることがソレイユの魅力だと思います。
それでもそんなに素敵になるんだという実例がここにはあるんですね。
例えば、好きだけれど値段が高いカーテンがあるとしますね。これはとても手が出ないとなったとき、すぐにあきらめてしまうのではなくて可能なことを提案するんですね。
そのイメージを消さないで、ちょっと布選びをしてみるから、一週間待って、3日待ってとお願いするんです。
そして探すんですね。
そのお客様の例が今私のデスクにあります。
素敵なお仕事ですね。
今日は本当に楽しかったです。
ありがとうございました。
—「こころ」中 両親と私 より要約—
大学を卒業した主人公の父親は病気で自分の命が長くないことを知っています。
息子の卒業を「卒業が出来て結構だった」という表現で何度も繰り返す父親に息子は不快感を募らせていきます。
ついに「大学位卒業したって、それほど結構ではありません。・・・」と返しました。
その言葉に父親は「何も卒業したから結構とばかりいうんじゃない。・・・おれのいうのはもう少し意味があるんだ・・」
父親は言いにくそうに、
「つまり、おれが結構ということになるのさ。・・・折角丹精した息子が、自分のいなくなった後で卒業してくれるよりも、丈夫なうちに学校を出でくれる方が親の身になれば嬉しいだろうじゃないか。・・・高が大学を卒業した位で、結構だ結構だといわれるのはあまり面白くもないだろう。しかしおれの方から見て御覧、立場が少し違っているよ。
つまり卒業はお前に取ってより、このおれに取って結構なんだ。
解ったかい。」
・・・・その卒業が父の心にどの位響くかも考えずにいた私はまったく愚かものであった。
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ここでのポイントは、父親が言いにくそうにも自分の「心のうち」を語ったことです。「このおれにとって結構なんだ」というのは、父親にしてみれば大変な勇気のいる一言だったのではなかったでしょうか。この時代の父親です。心のうちを息子に語るというのは、男の沽券に関わるというような背景があるように感じます。「自分にとって結構」というのは、他の誰でもない父親の感情です。息子に取ってでもなく、世間に対してでもなく、純粋に「自分にとって」。父親が自分の心に感じていること、すなわち内面を出していくことで息子の心は大きく変化しました。心に感じていることをそのまま伝える、自己開示するというのは勇気がとてもいることですが、同時に人の心を揺さぶり、理解しあうことに通じるものなのですね。 今も昔も変わらない人のこころの機微がそこにあるようです。