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株式会社 オーワークス 専務取締役 折田清一さん その2 ~可能性の模索と人との関係作り編~

折田清一さん株式会社 オーワークス 専務取締役 折田清一さん
会社所在地 東京都目黒区碑文谷 6-4-7
ホームページ http://www.o-works.com/home2.html
◆プロフィール◆
昭和44年 東京都目黒区生まれ
平成4年 日本大学経済学部卒業
平成6年 工学院大学専門学校建築科研究科卒業
平成6年 りんかい建設㈱入社
平成10年 ㈲折田工業(現㈱オーワークス)入社
<保有資格> 一級建築士

実は経済学部出身
~いったい自分は何をやりたいんだろう?悩み抜いた大学4年時~
KAO:
ところで、折田さん自身は子どものころから建築のお仕事に就きたいと思っていたのですか?


折田:
うちの家業はもともとは祖父の代からの左官業なんです。
私も物心ついたころから家作りに接する機会があり、携わるのが自然な感じでした。
もちろんそのときに今のような設計をやりたいとかの具体的なものはありませんでしたよ。
そのまま行けば左官屋継ぐんだろうな、くらいに考えていました。
小学校の卒業文集にも左官屋継いで三代目になると書いたくらいです。
実際には高校、大学と進むにつれ学業のほうがついていかなくて(笑)。
理系は無理だと思って、大学は経済学部を選びました。


折田:
ただ頭の中にいずれは建築系をやりたいというのがあったんだと思いますね。
いざ就職する段階になって、自分は何をやりたいんだろうと真剣に考え始めたんです。
そう悩み始めて、あるとき大学で社会保障論の講義を受けたんですね。
そのときの講義は高齢者のシルバーケアと建物のデザインとが関係するというテーマで、建物のデザインや設計次第で高齢者
の問題、認知症や体の機能の衰えを遅らせることが出来るというような内容だったと思います。
高齢者が生活しやすい空間、自力で自宅で暮らし続けられる家作りが作り方によっては可能なのだということを知ったのです。
それではっとしたんですよ。
家を作るってこういうことだと。
ここに自分のやりたいことがあると気がついたんです。


折田:
でも、そのときすでに大学4年なわけですよ。
4年にもなって自分は何言ってるんだろうとも思いました。
これから建築を勉強しなおすには遅すぎるだろうし。
かなり不安でしたね。そして設計に
関わっている建築家の知人に相談しに行ったんですよ。
で、その知人が言ってくれたことには、結局は本人の気持ち次第、年齢は関係ないと。
大きな励みになりましたね。
それで、その後専門学校に行くことにしたのです。昼は家の手伝いをして夜は専門学校で建築の勉強をするという生活になりました。
ちょっと遠回りしましたけど、今では経済も出ていて良かったなと思うんですよ。
その経験は今に生きています。
はじめから建築科に行っていたらそのまま建築の道に進んでいたかどうかわからないなと。
家を作る意味を見出していたかどうか・・・。視野が広がったと思います。


KAO:
ふぅ~む、大きな葛藤に打ち勝ったのですね・・・では、一級建築士は専門学校で取られたのですか?


折田:
いえいえ、それはずっと後のことです。一級建築士は実務経験がないと受けられないんです。建築
士の受験はというのはずっと後の話です。


KAO:
ええ~、その後、さらにですか。かなり道のりは長いのですね。
では、その後建築士を取られて、設計施工一貫方式に至る過程を教えてください。


折田:
その後に入った会社というのが、社員 600~800 人くらいの中規模のゼネコンでした。
実務の面では、たいへん勉強になりました。
ただ携わっていくうちにだんだん作っているものがただの箱であるような感じがしてきてしょうがなくなってしまって。
単なる箱作りでは限界があると感じ始めたのですね。
作られた建物が、実際どのように使われるのかとか、どう利益を生んでいくのかとか、その辺に興味が向いていきました。
まず箱ありきではなく、そこで生活したり働いたりする人の立場から発想をしていったら、その先にどんな形が現れてくるのだろうと。


KAO:
なるほど、建物に人を合わせるのではなく、人に建物を合わせていくのですね。


折田:
それで次に、商業施設のコンサルティング会社に入りました。そこでのやり方は、まさしく私が望んでいたもので、「何人のお客様が見込めて収支はどれくらいなのか」から始まり、次に「そこからどのくらいの建築コストをかけられるのか」を割り出し、「その中で最高のパフォーマンスを出していくにはどうしたらよいか」と考えて、「では外見はこうなるね」、というやり方だったんですよ。
この考え方で設計、施工、工事していったらどうなるんだろう、いずれはこのやり方で自分のところでやりたいと思いました。それから、家に戻り、「有限会社 折田工業」の中に「オーワークス設計マネジメント室」を作り、設計、マネジメント、施工、を意識するところからスタートしました。


KAO:
意識を持つところからのスタートですか。
実際お仕事はどうなっていきましたか?


折田:
こんなエピソードがあるんです。新宿のある飲食店の店舗設計施工をやったときのことですが、なんとビルの賃料交渉から行ったんですよ。初め聞いたときに賃料が高いなあと思ったのですが、お客様は高くてもいいからその場所でやりたいとおっしゃっいましてね。直観的にその賃料でやったら経営が持たないと思ったものですから、実際に損益分岐点を出す計算書を作り、これでやったら
一年も持たないからこの賃料ではやっちゃダメだと説明し、それから一緒に賃料交渉に行きました。
結果的にその値段は不動産屋さんが勝手に出していたようで、オーナーさんと話したらちゃんとわかってくれて、こちらの希望の賃料を通してくださったのです。もう 7 年も前のことですが、今もお店は繁盛していますよ。
KAO:
わあ、折田さんの仕事への思い、人への思いが伝わってきますね。説得してやめさせるという方向ではなく、実現へ向けての提案をするわけですね。
トータルデザインという言葉が浮かんできましたが、なかなか町の工務店さんでそこまでされる方はいないのではないでしょうか。


折田:
僕自身はそんな立派なデザイナーと呼ばれる人ではないです。どっちかというと、全体をまとめて
いく、そういう形で人と接したいんです。おかげさまで仕事が続けられているというのは、そうい
う意識を持ってやっていることをお客様におぼろげながらもわかってもらえているからではない
かなと思います。ここに来てようやく自分の考えてきたことがそんなに間違えてなかったんだなと
思えるようになってきました。


KAO:
あの・・・、そこでね、素人の心配なのですが、そのようにトータルにデザインしていくとコスト面がかなりかかるのではないかと思うのですが。


折田:
だからそう意味ではあんまり儲からないですね(笑)。
だから(他では)あまりやらないんですよ。
労力ばかりかかって儲からないですから。
図面の業務は普通の設計事務所並みですし、それを考えるのもスタッフ全員のチームプレーです。
だけど、設計事務所並みの設計料をいただくには忍びなくて、それほどもらっていないんです。
でもそういうところは不器用でもいいのかなと。短期的な収益性を考えるとあんまりプラスなことではないと思いますが、そんな風に長期的にかかわっていくやり方はそれ以上のメリットが生まれてくると思うのです。お客様との関係を長く続けていくということはその間にお客様をご紹介いただいたりと、いろいろなつながりから顧客の輪は広がる可能性はあると思います。
それが本来の仕事の姿だろうなと。
それがオーワークスの財産だと思うんですよ。
父から受け継いだものですね。


KAO:
それを財産と言えるのは素敵ですね。


KAO:
ウチに相談すれば何とかなる! お客さまにそう言われたい
~オーワークスの目指す姿~


KAO:
今後、オーワークスさんが目指したい姿というものがありましたら教えてください。


折田:
そうですね・・・、やはりお客様に、まずはあそこに聞いてみようと思っていただける会社になりたいですね。
オーワークスに相談すれば何とかしてくれると言われるような。
そうなったら最高ですね。
まだまだですけどね。


KAO:
まだまだというと・・・どのくらい?


折田:
うーん・・・50%くらいかなあ。
まあ、とりあえず今やれているし、50 点くらいはもらってもいいのかな。
まだ残り半分は伸ばせる余地、がんばっていく余地だと考えています。まあ、100 点というのは何年たっても出ないと思うのですよ。完璧ってありえないですからね。だから 70 点を及第点としてがんばりたいですね。


KAO:
ほう、残りの 50 を可能性として捉えてらっしゃるようですね。今後伸ばせる余地はどんなところとお考えですか?


折田:
実は二つあって、ひとつはみんなで情報を共有するシステムを作っていくということです。今日も5つの現場が動いていて、スタッフが掛け持ちでやっているのですが、それをスムーズに動かすためには、スケジュールなり、進捗状況なり、誰が何をしているのか一目でわかるシステムが必要だと感じていますね。
今は携帯の添付機能などを使って徐々に整備しているところです。みんなが現場で経験して得た知恵をストックして共有していく仕組みを作っていきたいのです。
二つとして同じ現場はありませんから、経験から生まれた知恵を応用することで更なるレベルアップが出来ますからね。
自分も含めての話ですが、スタッフには探究心を持って、「どうしてそうなっているのか。何でそうなったのか。」と問いかける気持を常に持って欲しいんです。いいものを見たときにも、ミスをしたときにも、そこを掘り下げていく姿勢ですね。


折田:
それから、もうひとつは社内のコミュニケーションをもっとよくしたいんです。
ウチくらいの規模でも、現場が入ってくるとなかなか全員の顔を合わせるということが難しくなってくるんですよ。
で、今試みているのが朝食会です。
一緒に朝食をとりながら雑談もしつつ、ミーティングできるのがいいですね。
情報の共有化にもつながっていると思います。
そして、それは情報レベルというだけでなくて、気持の共有にもつながってくると思うんですよ。
会社として、チームとして同じ方向に動いていくというのがこの仕事ではとても重要です。
私が思っていること、みんなが持っているいいものをもっと出し合っていけるようになれればいいと思いますね。
自分だけでは限界があるし、また私の考えだけだと偏りとなっていきますから。
全員の発想が自由に出せて、取り入れられるようなチームの形になっていければと思いますね。


KAO:
家というものは一人では作れないものなんですね。


折田:
作れないですね。全然作れないですね。
一軒建てるのに業者の数が 30 とか 40 とか入りますしね。
その人たちみんなと作るものです。そこには必ずお客様もいます。オーワークスの会社名は、みんなで輪を作って、手をつないでという意味をこめています。O が輪ということで。輪のワ。
それでオーワークスです。
ワークは仕事、作品という意味あいですしね。
最終的には、お客様と実際に作る職人業者の人たち
と、そしてわれわれと、関連する人たちみんなで手をつないで同じ方向に向かってみんなでいいものを作るというのを大事にしていきたいんです。


KAO:
実は、先日、心で家を建てるという表現を目にして感動したところだったのですが、まさしく今日は折田さんにそのことを詳しくお聞きしたような気がしました。
本日はどうもありがとうございました。


インタビュー所感】今回は目黒区碑文谷公園の近く静かな住宅街の一角にある㈱オーワークスさんに伺いました。専務の折田清一さんが素敵な笑顔で出迎えてくれました。建築に対して深い思いを持っていらっしゃる方です。今回は余すところなく、その思いを語っていただきました。折田さんの建てた家に住む方、お店で働く方は毎日笑顔なんだろうなあなんて想像をしながら興味深く聞くことができました。建築にはド素人の私。丁寧に説明していただきちょっぴり知識がついたかなあなんて思っています。オーワークスさんの魅力を感じていただけたら幸いです。

川添 香(かわぞえ かおる)

組織開発レポート
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