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Part10 「感情の残高」を増やす

関係性を阻害する四つの毒素「非難」「防御」「侮辱」「逃避」についてPart2で書かせていただきました。

四毒素については話をさせていただく機会も多いのですが、先日こんな質問が出ました。
「相手の成長を思って厳しい言葉をぶつけているつもりです。
これも毒素と言えるのでしょうか」

さて、あなたはどうお考えでしょうか。 <うまくいっている関係性の肯定性と否定性の割合は5:1>
これは、40 年に渡って夫婦生活を研究してきたジョン・ゴットマン博士のデータからの数字です。
(四毒素もジョン・ゴットマン博士の研究データに基づくもの)

肯定性といっても難しいことではありません。笑顔やあいさつ、感謝の気持ちを示したり、相手の話を親身に聞くなどの関わりです。
つまり、否定的な毒素の出ている会話が1 あったとしても5 以上の肯定的な関わりがあれば、関係性はうまく行くということなのです。

こういったプラスの感情を関係性に蓄積していくことを「感情残高を増やす」と表現しています。
関係性の中の感情残高が十分にある場合は、少々毒素がまかれたとしても関係性にヒビが入るような決定的なものにはならないのです。

関係性を育てる

チームや上司、部下における関係性を育てるとは、信頼関係を築いていくことです。
上記の数字は夫婦だけではなく、一般の関係性にも当てはまります。
あなたのチームの肯定的な関わりと否定的な関わりがどのくらいの割合であるだろうかと考えてみてください。
ただし、否定的な関わりについて、スキンシップやしつけなどと勘違いしている場合もありますので要注意。
“相手にとって”どうであるかが重要です。

さらにゴットマン博士のデータを引用してみます。
ゴットマン博士は長年の研究により夫婦の言動を5 分間観察するだけでこの夫婦が幸せな結婚生活を送るのか、離婚の道を歩むのか91%の正確さで予測できるようになったといいます。

離婚を予測させるサインとして5 つの項目を挙げています。


1.とげとげしく始まる
否定的、敵意のある、非難する口調で会話が始まる

2.四毒素の応酬

3.感情が溢れ出す(感情の洪水)
マイナス感情から出てくる言葉を洪水のように浴びせる

4.「修復努力」の失敗
仲直りしようと努力しても相手から拒否される

5.悪い思い出
相手に関する記憶が否定的な方向に歪められている


さあ、もうお分かりですね。
「相手の成長を考えての厳しい言葉」は相手にとって栄養にも毒にもなり得るのです。

相手の成長を思う=思いやりや愛情が、きちんと相手に伝わっているかどうかがカギとなります。

日本人は「いつかオレの気持ちは伝わるに違いない」と思いがちです。
しかし、それでは遅すぎる場合も多々あるのです。
しっかり信頼関係を築き厳しいフィードバックを受け取れる関係性を作っていただきたいものです。

川添 香(かわぞえ かおる)

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